パーマネントブレーキは無励磁作動型のブレーキで、永久磁石の磁力と摩擦材でトルクを伝達するブレーキです。 通常の無励磁作動型ブレーキとは異なり、トルクスプリングは使用していません。
一般的な無励磁型ブレーキと比べて
です。
一般的な無励磁型ブレーキと同様に、電源OFF時にブレーキを保持します。
一般的な無励磁作動型ブレーキは、トルクスプリングで発生した荷重と摩擦材でブレーキを保持していますが、パーマネントブレーキは、トルクスプリングで発生する荷重ではなく、永久磁石で発生する磁力でトルクを発生します。
電源OFF時は、永久磁石の力でブレーキを保持し、電源ON時は永久磁石の力を打ち消す磁界を発生させ、ブレーキを開放します。
センタイのパーマネントブレーキはブレーキを解放するための板ばねとアーマチュアが固定されているため、回転方向にバックラッシがなく、 通常の無励磁作動型ブレーキと違い、トルクOFF時に空転トルクが発生しません。
など
バックラッシとは、運動方向に発生する隙間(ガタ)のことです。
ブレーキにバックラッシがあることで、わずかに位置ずれ等が発生することがあります。
インデックステーブルでは、ワーク(加工対象物)をしっかり固定する必要があります。 バックラッシがあることで、位置ズレが発生してしまいます。この位置ズレはわずかなものですが、精密加工においては重大な加工不良になってしまう可能性があります。
このため、特にインデックステーブルのような製品には、ノーバックラッシのブレーキが望ましいのです。
無励磁作動型ブレーキでは、アーマチュアとカラーの間やシャフト周り等、動きが必要な部分にバックラッシが発生します。 可動部に隙間がないと、部品が動くことができません。このため、無励磁作動型ブレーキでバックラッシをゼロにすることは極めて困難なのです。
特に回転方向のバックラッシは位置精度に直結するため、精密な位置精度が求められる場合は無励磁型ブレーキの使用は注意が必要です。
パーマネントブレーキでは、永久磁石と板ばねを利用することで、回転方向のノーバックラッシを実現することができます。 これにより、OFFブレーキとしての無励磁型ブレーキの特性とノーバックラッシによる高い位置精度を併せ持つことができるのです。
一般的にインデックステーブルは、サーボモータとウォームギアモーターが使用されています。工作機械の精密加工に使用するため、ワークをしっかり固定する必要がありますが、サーボモータだけで固定すると、わずかに動いてしまいます。このため、最終的にはブレーキでしっかり位置決めをしますが、無励磁作動型ブレーキは僅かにバックラッシがあるため、精密加工の場合には使用が難しく、そのためノーバックラッシの励磁型ブレーキが採用されている場合があります。
パーマネントブレーキなら、励磁型ブレーキの高い位置精度をそのままに、OFFブレーキの特性も利用することができます。 加工精度の向上とともに、安全性も確保することができます。
ステッピングモータはコギングの影響で、サーボモータより位置のブレが大きくなります。
この場合もOFFブレーキとしてパーマネントブレーキを使用することで、位置精度を向上させることができます。
永久磁石式ブレーキ(パーマネントブレーキ)
センタイの無励磁作動形永久磁石ブレーキは、スプリング方式と違い、永久磁石の力により、作動力を発生させます。また、アーマチュアは板ばね方式のため、回転方向にバックラッシがなく、空転トルクも発生しません。
産業用ロボット、工作機械、サーボモータ等のアプリケーションに最適です。